富士沼津営業所の稲葉秀久です。

スチールウール、ご存じでしょうか。

鉄のほっそい糸みたいなのを、もじゃもじゃに丸めたやつです。

中学の時、理科の実験で使いましたね。

燃やすと酸化鉄ができて、質量が増えることを確認しました。

僕は、中学時代の一時期、「スチールウール」と、いじられていました。

頭がもじゃもじゃだったからです。

僕の家系は先祖代々、非常に剛毛でして、髪の毛は非常に硬く。

中学の僕はリンスなんかしないもんですから、なおさらです。

髪の毛を押さえつけても、記憶合金のごとく押し返してきます。

寝癖なんて直りません。

現在も剛毛は健在で、脱毛している髭も、まだなくなりません。

僕より1年以上後に脱毛し始めた夏目さんは、もう終わっているというのに。

中学の頃の僕は、陰キャでプライドが高く、いじられるのが大っ嫌いでして。

いじられると、「へへっ」とよじれた苦笑いを浮かべ、

心の中では、「こいつ・・・」と、ふつふつ煮えたぎるものを胸に秘めてました。

理科の授業では、「頼むからスチールウール出ないでくれ・・・」と祈っていました。

でも、今はもう大丈夫です。

僕も大人になり、気にしない心を持ちました。

頭がスチールウールって、なかなかいいセンスしてやがるなと、今では思えています。

・・・・・

とある日、ポスティングから帰ってきて、ヘルメットを脱ぎ、洗面台で手を洗う。

そして、ふと鏡を見上げた時に映る、ヘルメットでもじゃもじゃになった僕の髪。

そのどうしようもない頭をみて、そんなことを思い出しました。

青春のほろ苦い、いや、若干胸くそ悪い1ページ。

当時の僕に言いたい。

そのくらい笑えと。